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今月の一首評
碧空をうけいれてきただけなのに異形のひととしてそこにいる
江戸 雪 (『セレクション歌人 江戸雪集』)
『北朝鮮拉致事件 三首』と題されたうちの最後の一首。

どうしようもなくなったとき、ひとは空を見る。
それが碧ければ碧いほど、泣きたくなる。
『うけいれる』までに、どれほどの痛みを伴うのであろうか。

北朝鮮拉致事件という、重大な社会問題を詠んだ歌であるにも関わらず、一見すると相聞歌のように見える。碧空をうけいれた悲しみも、異形のひとと括られてしまう悲しみも、それでもそこにいる悲しみも、直接的な言葉は一切ないのだけれど、確かに歌の中に存在し、核をなしている。
呟くようによめばよむほど、孤独に打ちのめされる気がする一首である。
香山凛志

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